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「ラーメン繁盛店秘伝抄」

玄流ラーメン道 10訓

1 化学調味料に頼るな 

化学調味料に頼ると言うことは、職人としての怠慢以外の何物でもない。

合理的に収益を上げること自体、大切なことではあるが、最低限、出汁にはこだわるべきだ。素材を理解し、素材に最も適した調理法を行うことで、化学調味料では絶対表現出来ない美味しさに出会うはずだ。

調理人は、お客様の血となり、肉となる、大切な糧を提供する仕事である。ひと匙毒を盛れば、お客様の生命を犯すことすら可能なわけで、化学調味料は、ある意味、その毒であることを、良く認識しなければならない。幼児の脳を破壊する化学調味料の恐ろしさを認識した上で、自分の子供に毒を盛る者が何処に居るだろうか?

2 店内では五感を研ぎ澄ませ

ラーメン職人は、厨房に居る時、すべての感覚を研ぎ澄ました状態で、店内に展開しているすべての仕事を把握していなければならない。視覚、聴覚、嗅覚、触覚、すべてを動員して、今、店内で同時に進行しているすべての作業を把握していなければならない。

餃子を焼きながら、麺を茹で、常連客の話を聞きながら、カウンターの隅のお客の表情を窺い、具材の在庫を確認しながら、仕込みの段取りを考え、スタッフに指示を出す・・・

これを、目を血走らせて行ってはならない。あくまでも、自然体。笑顔を絶やさず、飄々と、作業をこなしていかなければならない。決して、一つだけの作業に夢中にならず、それでいて、すべての作業に神経を集中している。剣の達人のような境地に居る必要がある。

 

 

3 一杯のどんぶりに心を込めろ

大切なことは、一日何百杯のラーメンを売ると言うことではない。ラーメン屋の仕事の価値は、一杯一杯にどれだけ気持ちを込められるかだ。もちろん、それが、結果として、売り上げの大きな安定に繋がる。

麺の茹で加減、スープの量、脂の量、チャーシューの切り方、具材の整え方、一杯一杯、すべてに心を込めなければならない。驚くべきことに、これだけで、ラーメンの味が、まったく違ってくる。

君にとっては、何百杯のうちの一杯かもしれないが、そのお客様にとっては、かけがいのない一杯なのである。

お客様の要望に合わせた、スープの量、脂の量、麺の茹で加減で提供せねばならず、常連さんの要望は、すべて認識しておかなければならない。これは、決して難しいことではなく、一杯一杯、丁寧なラーメンづくりを心がけていると、自然と身についてくるものなのである。

 

 

4 旨みを追求するのではなく、素材を活かせ

旨みの追求は、行き着くところは、「化学調味料」ということになってしまう。玄流のラーメン作りにおいては、素材を活かすことを第一と考え、それぞれの素材から、最大限に引き出した美味しさを、バランス良くまとめることを目的として調理を行う。

そうした意味で衝撃的だったのが、マクロビオテックの調理法研究の過程で出会った、多くのベジタリアンの方々の、「野菜」という素材の捉え方である。

動物系の素材を一切使わないマクロビオテック対応のラーメンの開発が目的だったが、ラーメン作りにおいては、決して大きな役割を果たしているとは言えない「野菜」という素材と、本気で向き合う契機となった。自然農法の素晴らしい野菜たちとの出逢い、それぞれの野菜にとっての最適の調理法を知ることが出来た。それを、「玄菜麺」というメニューにまとめ上げるのは、至難の業であったが、そのとてつもない挑戦でも、大きな成果を得ることが出来たと思う。

 

 

5 常に、お客様の目線を忘れるな

6 生産現場に行き、生産者と語れ